ケガ防止、そしてパフォーマンスを発揮するためにも、練習前、試合前には必ずアップをするところから始まります。それで体をほぐし、温めてから本格的にボールを使った練習に移るのが当たり前とされています。特に、気温の低い冬場は時間をかけて行うチームがほとんどだと思いますが、夏は逆に短く済ませていると思います。

 炎天下のなかであれば、アップを長くやらなくても、気温が高いので短時間でもしっかり体をほぐして温めることが出来ます。しかし、パフォーマンスを発揮するには、必ずしも体を温めないといけないんでしょうか。猛暑の中で大量に汗をかき、疲れるくらいアップをしてしまっては、本来の力を発揮できないのではないでしょうか。

 皆さんが普段から使っているスマートフォンも、使い過ぎて熱くなれば、動きが悪くなり、不具合が生じると思います。人も体温が上がりすぎれば、体にだるさを感じると思いますが、それと同じではないでしょうか。

体内温度40度を超えないことが大事!

 であれば、体温が上がりすぎないように、体を一定まで冷やせばパフォーマンスが向上するのではないでしょうか。事実、主に医療機器やサプリメントと言ったモノを取り扱い、医療関係を専門としたセリスタ株式会社の伊藤承正社長へ過去に取材した際、こういった話を聞かせていただく機会がありました。

 「ATP(アデノシン三リン酸)というのが元気の素であり、筋肉の素でもあるのですが、このATPを作る過程でピルビン酸キナーゼという酵素の働きが関わってきます。
 ピルビン酸キナーゼは40度を超えると反応を止めてしまうんですね。これによりエネルギーが作られなくなり、体が疲れてしまいます。ここで手のひらを冷やすと、冷やされた血液が心臓に戻り、コアの温度がストンと下がるのでまたピルビン酸キナーゼの反応が始まり、ATPが作られるという仕組みです。」
(2018年3月28日掲載:『体を冷やしたほうがパフォーマンスがアップするってホント?暑さ対策に新提案!』より引用)

流水、保冷剤を使ってパフォーマンスを向上させよう!

 やはりパフォーマンス向上に、体温を下げるのは一定の効果があるようです。ですが、体温を下げる際によく聞くのは首や脇下。また股下などがありますが、なぜ手のひらを下げるのが効果的なのでしょうか。また、ただ冷やせばいいというわけではなく冷やし方にも注意が必要のようなんです。

 「手のひらにはAVAs(アヴァース)という特殊な血管があるのですが、これが体温調節のための熱交換をしているんです。寒いときには自然とストーブに手をかざすと思うんですけど、これはみんなこの血管がどんな役割を果たしているのか知っているからなんです。
 (中略)
 ところが、ただ単に冷やせば良いのかというと、そう単純なものではありません。外部から冷気が当たると、ホメオスタシスと言う体の恒常性機能が働くため、体を温めようという反応が起きてしまいます。ですから、体のコアを冷やしたいときに氷水でキンキンに冷やしてしまうと、血管が収縮してしまい、逆効果です。
 (中略)
 練習中に手を流水に当てて冷やしたり、タオルを巻いた保冷剤を握るというだけでも、似たような効果が得られるのではないかと思います。」
(2018年3月28日掲載:『体を冷やしたほうがパフォーマンスがアップするってホント?暑さ対策に新提案!』より引用)

 水や保冷剤などを使って手のひらを冷やすのは、どのチームのどんな選手でもすぐに実践できることです。それがパフォーマンス向上に繋がるのであれば、是非練習から実践して効果を感じてみてはどうだろうか。

(記事:編集部)


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