第3回 練習の取り組み方2009年02月10日

第3回高畑好秀メンタルスキル向上コラムのテーマは「練習の取り組み方」です。
普段の部活動でどのような気持ちで練習に取り組んでいますか?
皆さんの「考える」事のヒントになれば幸いです。

高校野球情報.com スタッフ一同

メンタルから考えたオフシーズン

基本的にはボールを持たない時期があるという事は大事だと思うんですよ。

人間の心ってスポンジと一緒で、水で一杯になっている時に新しい水を吸い込もうとしても吸い込まないですよね。それを乾かす時間が必要なんですよ。その時間があるから次に水をやった時にばっと吸収できる。

ただ、逆にカラカラにし過ぎると今度は水を弾いてしまう。吸収してくれないんですよ。だから、適切な1,2ヶ月はトレーニングの時期をへて、ボールを触りたいという欲求に変わってから練習した方が良いと思います。スポンジを乾かすイメージです。

同じキャッチボールでも一年365日やってるとお腹一杯になっちゃうでしょ。だから少し空腹感を与える感じ。そうする事で同じキャッチボールでも違ってきます。

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考えてトレーニングをしよう

またこの時期は単調なトレーニングを多くなります。単調なトレーニングがどう野球の技術に結び付くかを理解してやらないとだめですよね。

例えば腕立て一つにしてもそうです。腕立てをそれがなんの動作に役に立つのっ?てこと。そうじゃないとただの肉体労働になってしまいますよね。それがどう技術に直結するかを認識しないと。やっていてもつまらない。

そのトレーニングを重ねた先に自分の技術がどう進化しているかをイメージさせてやらなくてはいけないと思います。

一つの例ですが、最近ネット上で美容室のサイトに観ると、髪を切った時のイメージ、シュミレーションができるのがありますよね。映像を見る事で分かりやすいですよね。それと同じです。未来像をしっかりイメージできる状況にしないと、もったいないですよね。

単調な練習こそ、与えられたメニューに対しどう自分で創意工夫して目的づけをしてやるかが大事ですね。

後は決められた本数をだらだらやるのではなくて逆に回数など決めずに限界までやってその限界値を大きくしていくというのもこの時期はよいと思います。

あるプロ野球の投手が自主トレの時に僕にこう言いました。「坂道ダッシュを30本やろうと思います。」「本当に30本できるの??」と僕が聞いたんですね。そうしたらその投手は「やると決めたら僕はやります。」と言いました。
それに対し僕は「やると決めたら僕でもできるよね。」と言ったんですね。

30本こなせばいいのだから。全力でやる必要なないし疲れたら力抜いてもいいのなら、時間を一日かけてもよいのなら僕でもできますよ。30本やれば満足なの?違うよね、って事です。

僕は本数を決めずにとにかく全力で坂道ダッシュをして限界までで、やめればいいと思います。それが5本だとしてもです。そして、自主トレが終わる時に全力で走れる本数があがっていたら、それは30本だらだらやるより価値があると思うんですね。メニューを消化することが目的ではないのです。

そういうトレーニングは、肉体的なトレーニングであると同時に自分自身の心を強くするトレーニングにもなります。

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自分を高める事に意識を集中しよう

練習で意識するのは常に自分の事です。競うのは人じゃない。自分です。例えば自分が打率350打てるとします。人はどうでもよいでしょ。

では、違う状況で、仮にライバルが打率270打っているとします。自分は打率280打ちました。それでいいの?ライバルに勝って満足なの?他の誰と競うわけじゃない。自分が結果を出せばそんなの関係ないですよね。そこを打率270以上だからOKというのでは進歩がないですよね。

人に対して意識を払っているなら自分に対して意識を払った方が良いと思います。また逆に人には負けたけど自分の中で成長してればそれでOKです。それはそれで自分の成長を認めてあげるべきじゃないかな。

自分の力を伸ばすことに全身全霊を傾けた方が良いと思います。みんな、人の事を意識して駄目になっていきます。そこをみんな間違っていますよね。

今は競争する事を小さい時から教わってきています。
でも考えたら競争しても意味がないですよね。つきつめると自分の力をつける事しかないんだから。その為に人はどうでもいい。自分が納得する形で練習してしっかり力をつけることが重要です。

他の投手が何キロのボールを投げているとか関係ないでしょ。投手の本質は「抑えること」です。スピードがなくても抑えればいいんです。抑える為にどうすればいいかを考えれば、人は人。自分は自分です。

その中で何ができるかを考え、しっかりと自分が結果を残せることを考えればいいんだから。それをあいつが何キロ投げている、負けちゃいけないとむきになって、ビュンビュン腕を振って怪我をしたらそれこそ本末転倒ですよね。

それぞれ持ち味があるのだからその持ち味の中でどうそれを最大限に生かしていくかを考えるのが重要です。

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プロフィール

高畑好秀先生
高畑 好秀先生
  • 生年月日:1968年
  • 出身地:広島県
  • 早稲田大学人間科学部スポーツ科学科スポーツ心理学専攻卒。日本心理学会認定心理士資格を取得。同大学運動心理学研修生修了の後、数多くのプロ野球、Jリーグ、Vリーグ、プロボクシング、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手などのメンタルトレーニングの指導を行う。また多数の著書の刊行、講演、研修等でメンタルトレーニングの普及に努め、現在最も注目を集めるメンタルトレーナーの第1人者である。
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